よくある質問

Q.ほうろうは、鉄の上にガラス質を焼き付けたもの、ということですが、ガラスと鉄はどのように結びついているのですか?

A.焼成時の温度は800~850度ほどの高温です。その高温で鉄面は酸化し、微細な凸凹面となります。この凸凹面にガラス質が密着し結びつきます。 鉄とガラスの境界面では鉄原子とガラス中の硅素原子の化学的な結合も生まれ、極めて強い密着力を発揮します。

Q.ほうろうを使う上で気をつけなければいけない点はどんなことですか?

A.衝撃や落下があると、表面のガラス質にヒビ割れや破損が生じます。金属製のタワシや、研磨剤の使用はお避けください。火にかけて使うものについては、空だきをしないように注意してください。

Q.使用できる熱源はなんですか?

A.ガス火・IH電磁調理器・オーブンなどで使用できます。電子レンジには使えません。尚、IH電磁調理器については、製品の仕様ごとに使用の可・不可がありますので、都度、取扱説明書等をご確認ください。

Q.ほうろうが欠けたり、剥がれたりしてしまうと、有害なものが出るのでしょうか?

A.ほうろうの表面が剥がれても、素地が鉄ですので有害物質が発生することはありません。化学変化を起こすこともなく、サビたとしても鉄サビですのでご安心いただけます。

Q.ほうろうをきれいに保つにはどのようなことに気をつければいいですか?

A.表面がガラス質ですので、本来は汚れが落としやすい材質です。中性洗剤と、傷の付かないスポンジで洗い、水分を拭き取ってください。乾燥させることがサビの防止につながります。アルカリ性洗剤(食器洗浄機専用洗剤等)や塩素系漂白剤は、ほうろうの表面のツヤを損ない劣化を早めることもあります。又、アルミ製、ステンレス製の調理器具(お玉、ヘラ等)を使用していてグレー色の線がほうろうに付くことがあります。これはアルミ、ステンレスなどの金属がほうろうより硬度が低い為(下記硬度の比較表参照)、その金属が削れてほうろうに付着してしまうからです。調理器具(お玉、ヘラ等)は木製やシリコン製の調理器具を使うことをお勧めいたします。

Q.ほうろうのケトルを使っていると、お湯が七色に見えたり、白い粉状のものが出てくることがあります。どうしてでしょうか?

A.水中に含まれる蒸発残留物(珪酸、酸化カルシウム、酸化マグネシウム)が濃縮され、高温水中で反応し、珪酸マグネシウムとしてガラス面に付着して薄い膜をつくり、反射して七色に見えることがあります。また、蓄積し、白く層状に付着したものが剥離して沈殿することがあります。お湯を沸かす用途のみでも、中性洗剤とスポンジを使って洗いお手入れすることが防止になります。

Q.ほうろう鍋を焦がしてしまったのですが、お手入れ方法はありますか?

A.焦げ付きを金属たわしや金属のヘラ等で無理に取ろうとすると、ガラス質の損傷につながります。重曹を使って落とす下記の方法がおすすめです。
① 焦がした鍋にぬるま湯を入れます。
② 大さじ1の重曹と、食用油を少量入れます。
③ 鍋を火にかけ、沸騰したら火を止め数時間放置します。
④ 冷めたら中のものを捨て、スポンジで洗います。
ひどい焦げ付きの場合は、①~④を繰り返し試してください。

*一般社団法人日本琺瑯工業会 HP資料参照